絞殺

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◆◆◆ 翌朝、学校へ行くと廊下で慎に出くわした。 慎は俺の顔を見るなり、不安げな顔で近寄ってくる。 「…おはよう、時ちゃん」 「辛気臭い顔…、どうした」 「…偶然、俺の耳に入ったんだけど…薮野…死んだんだって…」 俺は目を見開いた。 薮野って…、薮野夏美のことか…? 「…本当かどうかは知らないけど…、家で…首吊ってたらしい」 「…そうか。キモイ奴だったけど…そうなると…ちょっとあれだな」 「なあ…時ちゃん」 「何?」 「首吊りったら…自殺だよな。…あいつ、自殺するような奴かな?」 俺は首を傾げた。 確か、薮野は高校でいじめに遭って退学したと慎が言っていた。 ということは…、いじめに耐えられなかった。 「精神的に参ってたら、自殺するかもよ」 「でも…!俺は…自殺するようには…」 「知ってるか。あーいうタイプの人間ってさ、鬱になりやすいんだって。だから、自分は中学で散々嫌がらせをしていたくせに、自分がそんな目に遭うと耐えられない」 俺が言い終わると、慎が「あ!」と声を上げた。 「じゃあ、薮野に嫌がらせされてた奴が、あいつを自殺に見せかけて…とか?」 「…嫌がらせされてた奴が犯人かわかったもんじゃないだろ。…自殺ってことにしてた方が、変な考えとか巡らせなくていいから楽」
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