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「性格が悪い奴は、いつか不幸は起きるもんなんだよ」
春也が溜息混じりに言った。
普段温厚な春也がここまで言うんだから、やっぱりあの女は相当性格が悪かったんだろうな。
「春也の言うとおりだな。いじめしてる奴とかでもさ、絶対自分に返って来てるし。この辺で一番馬鹿な高校に通ってた…薮野っていたじゃん。クラスのいじめに耐えられなくなって辞めたらしい」
慎が言った。
薮野夏美。
いたいた、そんなやつ。
確か、出目金とかあだ名付いてた。
人前で平気でゲップしたり…一回口に入れたゼリーを手の上にわざと吐き出したり。
…ただのキモイやつだけど。
「でも、キモイ行動をしてるだけでさ、いじめられる程でもなくね」
なつめが目を細めながら慎に言ったが、慎は首をフルフルと左右に振った。
「あいつ、陰で嫌がらせしてたらしいよ。それに、行動がキモかったら普通いじめに遭うだろ。中学ではそれが通用したかもしれないけど、高校はそんな甘かねえんだよ」
「そんで、学校辞めて薮野は今何やってんの」
春也が聞いた。
「さあ?バイトでもしてんじゃないの?」
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