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それでもまだそれに気がついていないのか、それとも周りに見られてもいいと思っているのかは知らないけど、先輩は尚も噛み付いてきた。
「普通は口にするところでしょっ!」
この反応は、先輩、本当に気付いてないなこりゃ。
「先輩、ここ学校ですよ? 皆に見せつけるつもりですか?」
意地悪い笑みを浮かべ、種明かしをすると、
「え、う、嘘!? ここ、学校……っ。もっとはやく言ってよ!バカ!」
言われて初めて気付いたって感じで、慌てて俯く先輩。
やっぱり可愛い。癒される。大好きだ。
「だから今、言ってあげたじゃないですか」
自然に顔が綻んだ。
「先輩、可愛いですね。……大好きですよ」
そんな少し天然で素直で可愛い先輩が、本当に大好きで、大事だから。
唇にするのは、まだとっておきます。
それまで、待っててください、先輩。目移りなんかしたら、絶対に許しませんからね。
……先輩、大好き。
「俺も、佐藤のこと好きっ」
おわり
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