第一章

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「 はい、どーぞ! 」 オムライスを翔の前に置いた。ソースもね♪ 「 俺、ケチャップ 」 「 オムライスにはソースだよ! 」 こうやっていつもオムライスになると口論になる。 ケチャップ派、ソース派という小さいことで… 「 絶対ソースなのに! 」 翔は分かってないし! ご飯もケチャップで味付けしてるのに、 またケチャップ!? と、私と翔が初めて一緒にご飯を食べた時に思った。 「 ごちそーさま 」 「 キッチンに置いといてね。後で洗うから 」 私はテレビに体を向けた。 んー、つまんない… ニュースばっかじゃん… 「 聖夜 」 「 えっ…?なっ、なに? 」 また動揺しちゃった…… 自分、動揺するな…! 「 なに動揺してんだよ…宿題手伝ってほしいんだけど…… 」 「 あー…、宿題ね!いいよ、どこわかんないの?」 「 ここ 」 翔が算数の問題を指さした。 “算数”か……… 私は“数学”なのに…… なんか、 ちょっと悲しい…かも… 「 聖夜…まさか分かんねーの? 」 少しひいた顔で私を見ていた。 「 分かるって!ここは――― 」 翔の宿題を手伝っていたら夕方の4時になっていた。 ―
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