第一章

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「 今日は、もう終わりでしょ?遥一緒に帰ろー! 」 「 聖夜… 」 遥……? なんで怯えてんの? 「 一条…何帰ろうとしてんだ? 」 「 先生……、いや…その…今日は用事がっ! 」 逃げようとしたら襟を捕まれた。 「 用事…?遅刻してきてか…? 」 「 分かりましたよ、反省文でしょ?書きますよ 」 「 5枚書け 」 バンッ 原稿用紙を目の前に荒く置かれた。 「 書くまで帰るなよ? 」 怖っ! 教師が生徒に脅しかよ! 「 遥ー! 」 頼りはもう遥だけだ、と思っていたら 「 ゴメン、彼氏とデートなの…またね! 」 見捨てられた…… 一人教室で反省文を書いていた。 あー、6枚だったら“ごめんなさい”って書けんのに……… 反省文を書き始めてから2時間かけて書き終えた。 もうお昼じゃん、お腹すいたー 「 先生ー、はい、反省文5枚ね! 」 「 よく書いたなー、帰っていいぞー 」 先生達は、呑気にお弁当を食べていた。 早く帰ろっ 校門を出たら、翔が待っていた―― 「 翔…? 」 「 おせー… 」 「 待っててくれたの? 」 「 …………… 」 翔は、黙って歩き出した。 自然と笑みがこぼれた―― ―
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