死神…

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屋敷内劇場は静まりかえっていた…。 「これはまちがったかな…?なんもなさそうだし…」 ジャジャーン!! 「うわあああ!!?」 急にスクリーンに、映像が映し出されたのだ。 「なんで…?」 スクリーンには、謎の数字が映し出された。 4444435123352666662777777 4112315113253613263711217 4444415123251666661732327 4313235331352621631731237 4121225555551613263777777 「気持ち悪っ!なんだよこりゃあ…」 宍倉は、今度こそ行き詰まった。 「よおく考えろ…!あの数字の意味を…」宍倉は悩んだ。 10分考えて、あきらめかけたその時だった。またも足音がした。 「ウソだろ!?また…」 急いで客席の下に潜り込んだ。 来たのは沙羅だった。 「なんだ…沙羅かぁ…死神かと」 「なんだとはなんだよ…つうか、おまえも来てたのか?」 「ああ、入った途端にスクリーンに数字が映し出されてさ。ビックリしたよ…」 「なんかあの数字の並び…不自然だな…」 「言われてみれば…」 沙羅はなにかに気がついたようだった。 「1、2、3が多くあってばらばら。 4、5、6、7がなにかの規則通りに並んでる…。」 「アルファベット…?ええと… F…U…R…O…風呂?」 「風呂に向かえってか…じゃあ一緒に行くぜ!」 「別行動じゃねえの?」 沙羅の顔が青ざめる。 「お前…死神を知ってるか?あいつはヤバイぞ」 「ああ…知ってる。二人で行けば怖くない!!」 そう言って笑っていたため、背後から近づく死神に気づかなかった。 「わああ!!」立ち上がって逃げた。途中で沙羅が宍倉をどんと突き飛ばした。 「なにすんだよ!」 「悪りぃな!やっぱり自分のいのちが1番大切でね。」 「そんな…さっきまであんなに仲間みたく…」 「仲間だけど!おれだって生きたいんだよ!」 言い争いが続くなか、足の速い宍倉は、沙羅を抜いて非常口から外へと脱出した。 ドアを開ける間に死神に捕まったらしく、沙羅のかすれゆく声と、 何かを貪って食うような気持ちが悪い音を耳にし、《あいつの分まで頑張るしかねぇ!!》と、ここに強く言い聞かせていた…。
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