chapter5 魔王とか勇者とか新能力とか

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 そう思うのも無理はない。綺麗な空気に、夜に光のないこの世界の夜空はかなり綺麗だ。星1つ1つがどこまでも広がっている。 「…………俺、明日から魔王を捜す旅に出る」  色葉は空を見上げたまま答えない。 「色葉が勇者である以上、俺は敵になるわけだが…………どうする?」  そこでついて来いと言えないのが弱さだと分かってはいるが、一度見捨ててしまった後ろめたさからどうしても自分で決める事が出来なかった。 「もちろん、ついて行くよ……! 妹だもん!」  今度は見捨てないよね? と色葉が目で聞いてくる。  俺は1つ頷くと、色葉を抱き締めた。変な意味はなく、親愛の証として。見捨てた謝罪も込めて。 「兄妹って、血の繋がりって呪いだから。…………もう、私はお兄ちゃんを逃がさない」  抱き着く力が強くなる。だがその小さな身体は震えていて…………俺は最後まで、その身体を引き剥がす事は出来なかった。
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