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安斎慶介は俺のルームメイトであり、この学園で唯一の友達だ。友達少ないとかいうんじゃねえよ!俺は少数精鋭派なんだよ!
容姿は俺と違って整っているほう……認めたくはないが。この学園でもわりと人気があるほうで、親衛隊があるとかないとか。性格はクール、ベリークール。友達の俺にさえ、対応が冷たい。でも悪い奴ではないので一緒にいることが多い。
奴は騒がしいものが嫌いだ。静かに平穏に暮らしたいんだとか。まあ俺もきゃあきゃあと黄色い雰囲気のこの学園が気に入らないし、お互いの利害は一致しているのだろう。ゆえに、俺も慶介も、友達と呼べるような奴はお互いしかいねえんじゃねえかな。
「じゃ、俺先行くな」
「おー。行ってらー……」
ゑ?
「け、けけ慶介さん? どこに行くって……?」
「どこって、学校に決まってんだろ……。早く行かねえと食堂閉まっちまうしな」
ああ、さいですかー。そうですよね、だってもう7時45分ですしねー。食堂は8時まで、学校は8時半から……。
っておい!俺もう間に合わねえじゃん!いや、学校には間に合うんだけど、朝飯に!大事な一日のエネルギー補給に!!
「起こしてやったんだから、さっさと準備すりゃあいいだろ」
「あ、そうか」
ありがとう、慶介大明神様!今日はめずらしくお優しいですね雨でも降るんですか。心なしかいつもよりイケメンに見えるよ!よっ、イケメン慶介!
俺がベッドの上で慶介様にひれ伏していると、学校指定の金の刺繍が入ったカバンを持ち靴を履いた慶介は、部屋を出る間際にぼそりと呟いた。
「お前のアラームうるさいんだよ……。起きれねえならアラームかけんなボケ」
バタン
「………………」
アイツ、俺のために俺を起こしてくれたんじゃなくて、ただ単にアラームがうるさかったから起こしただけか……。って俺はついでかよ!てかもう7時50分!?いかん、もう朝飯には間に合わんフラグが立ちました。
やっぱり慶介はいつもの慶介だったか……。感謝なんてするんじゃなかった。
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