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「気色悪い単語を呟いてないで、さっさと自分の席に行ったらどうだ」
「あれ、口に出てた?」
「ばっちりな」
それはそれはすいまてんでした。僕ちんすぐ思ったこと口に出ちゃうからぁーテヘペロ☆
「死ね」
「あんっ」
「キモっ……! 冗談は顔だけにしろよお前」
「それはひどいわ」
友人に対してそれ言っちゃう?親しき仲にも礼儀ありって言うじゃん?それ言っちゃだめじゃん?
てかイケメンのお前にブサイクな俺の何が分かるんだよ!え!?俺に整形でもしろっていうのか!!
「どうせ俺はブサメンですよーだ……」
床にのの字を書きながら拗ねてみる。
さあどうだ。さすがに俺に謝る気になっただろう、慶介!
「……………」
無 視 で す か
シカトですか!何のコメントもなしですか!それって罵られるよりもキツイんだよ地味に。傷つくの!俺の柔なハートが!!
「嫌い」よりも「大嫌い」よりも、「無関心」が一番ひどいんだって知らないのか君は。
「……………」
うーん……。ここまでしても構ってくれないとなると、慶介は忙しいらしいな。さっきからずっと何か書いてるしな。
しょうがない……。大人しく自分の席に戻るとするか。
俺がゆっくりと立ち上がって自分の席へ戻ろうとすると、俺の背中に誰かの声がかけられた。
「おい、隆弘」
「おう?」
くるりと振り向くと、さっきまでこちらを見向きもしなかった慶介がこちらを向いていた。
なによなによ、さっきまでアタシのこと散々無視しておいて、今さら何を言い訳しようっていうの!?アタシ何を言われようと、貴方のこと許さない――
「あとで弁当分けてやる。一限終わったら俺んとこ来い」
それだけ言うと、用は済んだというようにまた机に向かう慶介。
てか慶介、今なんて?弁当分けてやるって?
慶介が、俺に、弁当を、分ける……だと……!?
「ちゅき。」
「土に還れ」
素直に感謝の気持ちを述べたのに、この仕打ちはなんだ。ネット世界ではこれでコミュニケーションが成立するんだぞ?これだから現実は。
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