三限目

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「隆弘。行くぞ」 「うぃーっす」 ほとんど何も入っていないカバンを肩にかけ、慶介に続いて部屋の外に出る。 え?なんでカバンに何も入ってないかって?そんなもん置き勉してるからに決まってるだろ!あ、良い子はマネしちゃダメだぞ☆ 部屋の外は、朝から食堂に向かう同じ寮の生徒たちで賑わっていた。 「あっ……安斎様だ」 「ご機嫌麗しゅう、安斎様!」 少し寮の廊下を歩くと、出待ちをしていた慶介の親衛隊が声をかけてくる。相変わらず俺には誰も声をかけてこない。別に悲しくもないが。 「おはよう」 慶介は軽くそう返して、さっさと食堂へと続く廊下を歩いて行く。しかしそれだけでも、親衛隊にとってはご褒美だ。通り過ぎた背後からきゃあきゃあと騒ぎ立てる声がする。 「相変わらずの人気ですわねん、安斎様」 「キモイ死ね」 少しからかい気味に言ってやると、心底嫌そうな顔で悪態をつかれる。 これくらいしか普段での仕返しができないからな。思い知れイケメンこの野郎! と、小さくガッツポーズを作っていると、前を歩いていた慶介にぶつかった。 「いてっ! おい慶介、何急に止まって――」 どうやら慶介が急に立ち止まったらしい。俺が文句を言っても、慶介はじっと前だけを見て突っ立っている。 んん?この先に何かあんのか……? ひょいと慶介をよけて前方を確認してみる。 「……あるぇ」 なんでアイツらがここに? →
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