三限目

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「きゃあああっ! 青龍寮の東雲様がっ!」 「生徒会副会長の海音寺様も!!」 「どうして朱雀寮に!?」 俺たちと同じように前方の人物に気付いた周りの生徒達が、堰を切ったように雄叫びを上げる。そう、雄叫びだ。こりゃひどいってもんじゃない、一種の公害だ。耳が腐る。 にしても、俺にとっても前方に見える人物たちは予想外だ。本当に、朝っぱらからなんでここに……。 「慶介さーん……」 「……遠回りするぞ」 「イエッサー」 数回のやり取りで俺たちはお互いの思惑を把握し、くるりと方向転換をする。 少し遠回りになるが、食堂へは裏の階段からも行ける。今はそちらに回ったほうが賢明だろう。わざわざあんな戦場を通り抜ける必要はどこにもない。 俺と慶介は押し寄せる人波に逆らいながら、食堂への別の道を急いだ。 →
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