四限目

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「おっ、安斎在室だな」 慶介が寮長の前に顔を出すと、寮長は満足げに頷いて、紙にチェックを入れる。 慶介はデフォルト装備の無表情で機械的に口を開く。 「当然です。じゃ、閉めますね」 「おいおい…。相変わらず淡泊な奴だな」 俺が慶介の少し後ろからドアのほうを覗き見ると、そう言って苦笑する寮長が見えた。慶介はそれには答えず、問答無用でばたりとドアを閉め、鍵をかける。 ドアが閉まる直前、やれやれといった表情の寮長と目が合ったので、俺は返事の代わりに肩のところで手を広げた。 どうにもならねえな、こいつの無愛想は。だから友達がいねえんだ。 人のこと言えないけど。 →
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