252人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「おい隆弘……。寝るぞ」
「へい。」
なんでか機嫌の悪い慶介の言葉に、俺は素直に頷く。
本当は深夜アニメをリアタイ視聴するつもりだったんだが……触らぬ神に祟りなし。録画で我慢しようじゃまいか。
と、その前に。
「慶介さーん……?」
「なんだ。10文字以内で」
「なんできげんわるいの」
ちょうど10文字。俺天才。
「別に悪くない」
「うっそだぁ」
「悪くない。くだらないこと言ってないで寝ろ」
電気消すぞ、と言って、俺の返事を聞く前に慶介は電気を消しやがった。
あ、真っ暗。何も見えねえや……あ、なんかパキって言った。
俺は暗闇の中、手探りでなんとか自分のベッドへとたどり着き、そこへ転がり込む。
あー……リラックス。慶介様さまの機嫌が悪いおかげで何もできない俺は、しばらく天上(上の段のベッド)を見つめているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。
→
最初のコメントを投稿しよう!