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(ん……?)
朝方。もたりと意識が浮上して目を覚ます。部屋の中は薄暗く、カーテンの隙間から差し込む光も弱い。慶介もまだ起きてはいないようだ。
俺は目をこすりながら傍らの携帯を手に取り、時間を確認するために液晶を見た。
時刻はAM4:50。
って早!俺めっちゃ早起きじゃんどうしちゃったのコレ雨でも降るの?
早すぎる起床に自分で突っ込みながら、でも二度寝する気にもなれず、なんとなく体を起こす。
(……暇だ)
こんなに朝早く起きたことが俺のこれまでの人生にあっただろうか。いや、ない。(反語)
こういう時って何すればいいんだ?あんまりうるさくして慶介にフルボッコにされるのは避けたい。うーん……。
(……よし)
ベッドの上で胡坐をかきながらしばらく模索した俺は、コマンドを決定して立ち上がる。
⇒自販機に行く
これに決定。
寮の決まりでは6時前に部屋から出てはいけないことになっているが、そんなもんは知らん。大体こんな時間は誰も起きていないだろうし、バレることもないだろう。
というわけで、俺はひっそりと忍び足でベッドを抜け出し、机の上に散乱していた小銭を適当に掴むと、音を立てないよう細心の注意を払って部屋を出た。
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