五限目

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気付いたら外にいたなんて、おかしすぎやしませんか。 んー?俺って何してたんだっけ。 確か朝早く起きすぎて、ジュースを買うために部屋を出て自販機まで行って―― 「ああっ! 俺のアセロラジュース!!」 どこやったんだあれ!もったいねえええ!まだ一口も飲んでないんだけど!? って今はそんなことどうでもよくてだな、なんで俺はここにいる?What? ……俺ってもしかして、夢遊病だったりするのかな。 (ってか、今何時だ…?) ごそごそと携帯を探ると、ハーパンのポケットの中に固い無機物の感触があった。それを取り出し画面を開くと、今の時間を確認する。 「8時ジャスト」 ってまた朝飯食いっぱぐれかよ!! くそっ、5時前には起きていたはずの俺が、何故朝飯抜きという事態に陥らなければならん?誰かの陰謀か?策略か!? ♪私以外のー 女に目移りしーないでー  私思わず相手をメッタ刺しにーしちゃーいそうよー すると、俺の携帯から可愛い声で物騒な曲が流れ始める。 これは…俺の好きなギャルゲ発アニメ「この浮気者!」に登場するヤンデレキャラ、羽柴このみのキャラソン「このみ☆狂愛スクランブル」じゃないか。ということは相手は…… 『着信:安斎 慶介』 あ、やっぱり慶介だった。 おもしろ半分で慶介の着信音をこれに設定しているが、これが本人にバレた日には四肢を裂かれ鍋の材料にされかねん。まあ本人が近くにいる時は、俺にかけてくることはないからいいんだけど。 とりあえず、電話に出よう。 「はーい、こちらハンサム」 『すまん。間違えたようだ』 「おいこらどういうことだ貴様」 自分の携帯で間違い電話をかけることってそうそうねえよ。あったとしても詐欺とか悪戯とかそういう類だろ絶対。 それとも何か?俺がハンサムなのが間違いだって言いたいのか?大きなお世話だこのイケメンが!! 『つまらん冗談はいいとして、お前今どこに居るんだ』 「冗談で処理しないでください」 『どこに居るか答えろ』 「ふぁい。」 って言われてもなあ…… →
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