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「それがぁ、どこにいるか分かんないスよね~」
『はあ?』
間延びしたお茶目な声でそう返すと、電話の向こうの慶介が明らかに不機嫌な声色で返してきた。
ふざけてんのかお前、という空気がばしばしと伝わってくる。
残念ながらふざけてませんww
「いやだって、本気で分かんねえんだよw」
目が覚めたら外に居たなんて、俺自身も意味がわからん。というか、アセロラジュースを買ってからの記憶が一切ないんですがwwwどうしちゃったの俺wwwやっぱ病気なんかなwwww
『周りには何がある』
「えーっとですねw雲のない晴天とお日様と目に優しい植物と爽やかな風www」
『外か。…どうせ敷地内だろ、さっさと戻ってこい』
「あいあいさーwww」
俺の返事を待たずに切られる電話。ちょww慶介の態度の変わりようwww
まあ確かに、ここが敷地外って可能性はほとんどないに等しい。俺が誘拐されたとかじゃなければ。
まあ引きこもり根暗キモオタを誘拐する物好きなんてどこにもいないと思うがww俺だったらしないwwwするならロリ巨乳美少女にするわwwww
まーでもそろそろ本気で時間やべえしな。ふざけている場合じゃない、さっさと帰ろう。
俺はよっこらせっくすというかけ声と共に立ち上がり、服についていた砂を軽く払う。
と、立ち上がった俺の目に、ある光景が飛び込んできた。
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