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ピピピピッ…… ピピピピッ……
ピピピピッ…… ピピピピッ……
ピピピp
「いい加減起きやがれ」
ゴスッ
「いってぇええ!?」
爽やかな天気の良い朝。心地よく安眠していた俺は、脳天に突然訪れた激痛に誘われるように目を覚ました。
いって!まじいってぇええぇ!!何なのこの痛みは!?何か固く重い物で思い切り脳天を殴られたような激痛が!!
「おはよう。隆弘」
「おうふっ……よう、慶介」
二段になっているベッドの下の段、そこが俺のねぐらだ。そして、ただごとではない激痛にベッドの上で悶えている俺の脇に立つ男は、ルームメイトの安斎慶介。彼の右手には、重量感たっぷりの広辞苑が握られている。
動かぬ証拠発見。犯人特定いたしました。
「おのれ慶介ぇえぇぇえ! 俺を殺す気か!?」
「広辞苑で殴られたくらいじゃ死なねえよ」
広辞苑を自分の本棚に片づけながら、慶介は冷たくそう言い放った。
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