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「だからさ、俺…仕事も出来ないし…人付き合いも苦手だしダメダメだなぁ…」
さっきから、俺はこんな調子で古屋と酒を飲んでいた…
俺は、酒を独りで飲んだことしかないから他人とのむのはどうすれば良いのか分からなくて、さっきから一方的に話していた…
時折、古屋に目を向ければ古屋と目が合いじっと見られていることに気づく…
それで、急激に緊張を増す俺の体…
ただ、見られてるだけじゃないような気がするんだ…
何かが違ってて…
古屋が古屋じゃない…
ビールのグラスを持つ手をテーブルに肘を付きながら、俺の話を聞いてくれる古屋…
いや、聞いてるんじゃなくて思いっきり見られてる…ジーッと…何かをしようとしてる…
「古屋は、さ「先輩、好きです。」」
え?…好き…
「古屋…飲みすぎだよ。」
ちょっと、古屋の背中をさするように言うと
「酔ってませんよ?俺…。」
「おわっ!ちょっ…何するんだよ!」
背中に回した腕ごと、掴まれてそのまま押し倒される…
古屋は、正気じゃない…そう思いながら古屋の顔を見ると…
古屋じゃない顔になっていた。
いつもの優しい顔じゃなくて…
何か、獣みたいな…
とにかく、怖かった…
恐怖で、涙目になると目の前の、古屋じゃない古屋は、ニヤリと笑い舌舐めずりをした…
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