1606人が本棚に入れています
本棚に追加
/743ページ
「つまんない」
遥か上空で子供のようにブーと膨れるオレ。
「魔物一〇〇体って聞いたから少しは楽しめるかなーって思ってたのに来てみれば共食いでたった五体とか、萎えるわー」
『ガアアア』
「まあ確かに楽だったけどさ、でも毎日毎日雑魚と戦っても経験値なんてほんの少ししか出ねぇわレベル上がらねぇわでつまらなくなるのも分かるだろ? エイミ」
『ガウ』
オレを乗せて空を飛ぶデカイ黒い竜が頷いた。
「人類の敵である魔物を倒すのがオレらの仕事だけど、ゲーム感覚でやんないとやってられない仕事もあるワケよ。他の奴に言うと遊び感覚でやるなって怒られちまうけどさ」
そう言いながら右手に持つ銀色に輝く一メートルは超える片刃の剣を見る。
暫く遠い目でその剣を眺めていると竜がゆっくりと、そして段々早く降下していく。
「ん? 何?」
『ガアアア!!』
竜が吼え、オレは剣から目線を下に向ける。
かなーり下にある地表に大量の魔物を見付けた。
数はだいたい一〇〇から二〇〇、良いところに居やがった~
「っし、ンじゃ派手に行くか!!」
そしてオレは剣を担ぎ竜から飛び降りた。
『ゴアアア!!』
竜が吐いた三つの火球が落下するオレより先に地表にいる魔物の大群に直撃する。
下からの爆風によりオレは(少し痛いが)無事に地面に着地した。
「さて、悪いな魔物達。この不完全燃焼なオレとエイミの相手になってくれよ」
不敵に笑うオレに魔物達が飛び掛かる。
「来な、そして逝け」
『ガアアア!!』
オレの銀色の剣と竜の牙と爪が、容赦無く魔物達に食い込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!