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「ご馳走様でした」
「‥‥もういいのか?」
綺麗に全てのおかずやご飯をたいらげた奏だったが、最初の一杯だけでご馳走様をいったため、一度もおかわりをしていなく、体が細い奏に心配した斎藤がそんな質問をしたのだった。
「えぇ、お腹いっぱいです
これ以上食べてしまうと動きが鈍くなるので」
「そうか‥‥」
斎藤もそれ以上深く追求する事はなく、食べ終えた食器を片付けに同じく食べ終えた隊士の後を追った。
「食器はどこに片付けるんですか?」
「えっ? あ、あぁ、台所にある水が入った大きな桶の中に全部の食器を入れてください」
「入れるだけでいいんですか?」
「はい、食器を洗う係がいるため大丈夫です」
「そうなんですか
ありがとうございます」
奏は名を知らない隊士にお礼をいうと、台所へと向かった。
「朱華!! 後で近藤の部屋にこい!」
土方は奏が部屋から出て行くのを見つけると、大きな声でそう告げた。
「‥‥。」
無言のまま小さく首を縦に振ると、そそくさと台所へと向かって行ってしまった。
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