未来~朱い華~

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「なら、もう一度生き直せ その時代には戻れないなら、別の時代でもう一度人生をやり直せばいい」 青年はそう言うも今よりも先の未来を想像することが出来なかった。 今の現状でこのありさま、未来ではどんな過酷な現状が待ち構えているのかと思うと、ため息しか出て来ない、だが少女を慰めるために選んだ言葉だったため慰めになればいいかと思い少女に微笑んだ。 「べつの……時代」 少女はそう呟いたあとパッと表情を明るくさせ、体もさらに光らせた。 「そうだ! 一カ所だけ、生き返れる時代があるんだっけ」 少女は嬉しそうにそう言ったあと、右手で青年の手を掴んだ。 「ありがとう!!」 「あ、あぁ……てか、あれ? さっきからなんで私はお前に触れれるんだ?」 手がすり抜けた記憶があったのを思い出すも、少女は聞いていないのかにこにこと笑いっぱなしのままだった。 少女が左手を桜の木に触れると桜の木が少女のように光り輝く 「ねぇ、一緒に行こうよ!」 「行こうって言われてもッ?!」 少女に行こうと言われてもわけの分からないまま、桜の木の輝きがあまりにも眩しく青年は思わず少女と手を繋いだまま目をつぶってしまった。
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