1.偶然の偶然

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「陽太のとこも再婚?」  智花は横を歩いていた彼氏・陽太を見上げた。 「智花も?へぇ~、偶然」 「うん、お父さん凄い嬉しそうだった」 「母さんも…俺賛成してないのにな」 「陽太、反対なの?」  智花は思わず立ち止まった。  少し歩き、陽太も同じように立ち止まった。 「どうした?」  ポケットに手を突っ込んで振り向いた陽太に、智花はドキドキしながら首を振った。 「何でもない。その…えっと…」 「15歳で急に父親なんて、上手くいくわけないだろ」 ―ちゃんと聞こえてるし!! 「そんな事ないって…きっと」 「智花はどうなんだ?母親できて嬉しいか?」  そう言う陽太の顔は何の感情もなく、他人が見ると思わず引いてしまいそうだ。  しかし、そんな事は慣れっこの智花は特に気にせず、大きくうなづいた。
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