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「陽太のとこも再婚?」
智花は横を歩いていた彼氏・陽太を見上げた。
「智花も?へぇ~、偶然」
「うん、お父さん凄い嬉しそうだった」
「母さんも…俺賛成してないのにな」
「陽太、反対なの?」
智花は思わず立ち止まった。
少し歩き、陽太も同じように立ち止まった。
「どうした?」
ポケットに手を突っ込んで振り向いた陽太に、智花はドキドキしながら首を振った。
「何でもない。その…えっと…」
「15歳で急に父親なんて、上手くいくわけないだろ」
―ちゃんと聞こえてるし!!
「そんな事ないって…きっと」
「智花はどうなんだ?母親できて嬉しいか?」
そう言う陽太の顔は何の感情もなく、他人が見ると思わず引いてしまいそうだ。
しかし、そんな事は慣れっこの智花は特に気にせず、大きくうなづいた。
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