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広大な尖った針葉樹林の中に、高いセンタービルを中心とする、近代的な街並みが広がっている。
世界有数の機械技術を誇る、国を魔族から護る傭兵の街、セルティアギルド。
センタービルの南側を学舎が、北側が傭兵訓練所の建物が連なっている。
その傭兵訓練所にて。
赤い髪を左右ふたつ、おだんごに結った少女が眉間に皺を寄せ、仁王立ちになっていた。
「これが新しい剣士?」
アリアのパーティの班長、ガルーダに紹介された剣士は、眩しいくらいの金髪に、透き通る青い瞳を持つ優男だった。年は同じか、少し上くらいだろう。
「ちゃんと私に合わせられるんだろうな?」
頭から足のつま先まで、剣士をジロジロと眺める。
身長も体格も確かに申し分ない。背負う獲物は、常人には持ち上げられることも出来ないような重量の大剣だ。それを振り回すのだから、腕は確かなのだろう。
けれど、顔が優しすぎた。傭兵だなどと信じがたいほどに、柔らかい雰囲気を持つ男だった。
頼りなさそう。
それが第一印象。
でも。
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