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「腕は俺が保障するから……頼むから、今度はうまくやってくれよ」
ガルーダ班長はアリアに懇願するような瞳を向けた。
アリアは華奢で可憐な容貌からは想像出来ないくらい短気で、強気で、喧嘩っ早かった。
そんな性格が災いして、今までパーティを組んだ者たちには一週間も経たずに逃げられていた。今回のパーティ編成も、何度目だかもう数え切れない。
「仕方ないな」
ガルーダ班長に迷惑をかけていることは重々承知していたので、アリアは渋々右手を差し出した。
「アリア=カーヴァンスだ。よろしく」
金髪の優男はそれを見て、ふわりと優しく微笑んだ。
「ランス=グリフィノーです。よろしく」
その微笑みは、まるでどこかの王子様のように、儚げで頼りない。
でも……。
(……綺麗だな)
細められた青い瞳がどこまでも続く青空のようで、吸い込まれてしまいそうだと、思ったのだった。
◇ ◇ ◇
父さん18歳、母さん16歳の頃のお話です。
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