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ガルーダ班長の推薦だけあって、ランスの動きはアリアが今まで見た中で一番だった。
背負っている大剣を軽々と振り回し、複数の敵を一度に薙ぎ払う。そして零れた敵をアリアが仕留める。そんなパターンが増えた。
「お前となら、ドラゴンもイケそうだな。どうだ、今度ドラゴン討伐にでも?」
旅の合間、森の木漏れ日の中で休憩を取りながらアリアが冗談半分にそう言うと、ランスは軽く笑った。
「人を襲うドラゴンがいればね」
その答えに、アリアは眉根を寄せた。
「お前は強いが、どうもこう、やる気が感じられん」
「そうかい?」
「お前がその気なら、皇都でもトップまで行けるぞ。なのに……本気で戦ったこと、ないだろう」
「買いかぶりすぎだよ」
ランスは曖昧に笑う。
「いいや、私の目は節穴ではないぞ。お前はもっと強くなれるはずだ。なのに……まさか、わざとそうしているのか?」
「……わざと、ではないんだけどね。無意識……かな」
やはりランスは曖昧に微笑む。
アリアは眉を顰め、首を傾げた。
「無意識に力を抑えているのか? ……なんでそんなことを。ややこしいことをするんだな」
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