vs.天界

15/17
15811人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
―――――――― 妖香「戻りましたよ。……何故皆さん正座なのですか?」 『気にしないでください』 いや、本当に気にしないで。別に『次元の扉』から聞こえてくる破壊神こ悲鳴とか、母さんの無駄に怖い声とか聞いてないから。 妖香「霊ちゃん、もういいですよ。さあ」 霊臥「あー、うん。行ってきます」 何か気が進まないけど、許す気もないし……最初は本気の本気で心をバッキバキに折ろう。 霊臥「さて、どんな事をして……」 ……何この廃人? 破壊神? 真っ白に燃え尽きた体。涙、唾液、鼻水、脂汗でぐちゃぐちゃになった顔。あの短時間で、母さんは何をしたんだ? 霊臥「……俺がやる必要ないような気が……まあやるけど」 名前がある奴の心を折るって言ったらあれだよな。 霊臥「万華鏡〇輪眼!」 破壊神の目を無理矢理開いて、幻術をかける。瞬間、破壊神は一つの十字架に縛られた。 破壊神「……ぐっ。……ここ、は……」 霊臥「ほぉ、母さんに心を折られたのに、まだ自我があるのか」 流石、昔は唯一神と同等だっただけはあるな。 霊臥「そんなお前に罰ゲームだ。これを見なよ」 指を鳴らすと、広大な世界に様々な剣が現れた。形が複雑な物もあれば、伸縮自在な剣もある。 霊臥「そしてこいつらも」 今度は手を叩くと、剣の前にある男が現れた。青ツナギを着た、伝説に相応しい漢。 『うほっ、いい男』 阿部さんである。 霊臥「ここには一億人の阿部さんがいる。そしてその前には殺傷力の高い剣だ。一人にヤられたら、一回剣で心臓を突かれる。ここで死ぬことはないからな。まあせいぜい楽しめや」 俺の体が、煙りのように破壊神の前から姿を消す。最後に見たのは、絶望しきった破壊神の顔だった。 破壊神「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!