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妖香「戻りましたよ。……何故皆さん正座なのですか?」
『気にしないでください』
いや、本当に気にしないで。別に『次元の扉』から聞こえてくる破壊神こ悲鳴とか、母さんの無駄に怖い声とか聞いてないから。
妖香「霊ちゃん、もういいですよ。さあ」
霊臥「あー、うん。行ってきます」
何か気が進まないけど、許す気もないし……最初は本気の本気で心をバッキバキに折ろう。
霊臥「さて、どんな事をして……」
……何この廃人? 破壊神?
真っ白に燃え尽きた体。涙、唾液、鼻水、脂汗でぐちゃぐちゃになった顔。あの短時間で、母さんは何をしたんだ?
霊臥「……俺がやる必要ないような気が……まあやるけど」
名前がある奴の心を折るって言ったらあれだよな。
霊臥「万華鏡〇輪眼!」
破壊神の目を無理矢理開いて、幻術をかける。瞬間、破壊神は一つの十字架に縛られた。
破壊神「……ぐっ。……ここ、は……」
霊臥「ほぉ、母さんに心を折られたのに、まだ自我があるのか」
流石、昔は唯一神と同等だっただけはあるな。
霊臥「そんなお前に罰ゲームだ。これを見なよ」
指を鳴らすと、広大な世界に様々な剣が現れた。形が複雑な物もあれば、伸縮自在な剣もある。
霊臥「そしてこいつらも」
今度は手を叩くと、剣の前にある男が現れた。青ツナギを着た、伝説に相応しい漢。
『うほっ、いい男』
阿部さんである。
霊臥「ここには一億人の阿部さんがいる。そしてその前には殺傷力の高い剣だ。一人にヤられたら、一回剣で心臓を突かれる。ここで死ぬことはないからな。まあせいぜい楽しめや」
俺の体が、煙りのように破壊神の前から姿を消す。最後に見たのは、絶望しきった破壊神の顔だった。
破壊神「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
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