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私はただの幼い男の子の言葉にゾッとした
そんな私を見ながら二人はまた笑い出した
クスクスクスクス
ケラケラケラケラ
私はどんどん笑い声が気味悪く感じてきて、二人の前から全力で逃げ出したくなった
しかし私はその思いを何とか押さえ込んでその場に立ち続けた
「…ね、ねえ。お話って、なんのこと?」
私は何とか声を絞り出して男の子にそう尋ねた
私の言葉に二人の笑い声はピタリと止んだ
「お話はお話だよねー」
「ねー」
男の子と女の子は互いの顔を見合わせるようにしながらそう言った
「だから…そのお話ってなんのk-」
「わかってるくせに」
もう一度尋ねようとした私に今度は女の子が答えた
その言葉はとても辺りが凍りつくんじゃないかと思うほど冷たく感じた
恐怖で動けない私に女の子は何かを差し出してきた
目線だけを動かして私はそれを見る
女の子の差し出した物はあの真っ黒い本だった
「これだよ」
男の子がそう言うと、女の子はおもむろにページをめくりなかを見せてきた
本には私が体験したことが書かれていた
「おねえちゃん」
本に目をとられていたので男の子に急に話しかけられてわたしはビクッとした
「な、なに?」
「たくさん殺したね♪」
ケタケタと二人の子供は今までよりも大きな声で、そして今までよりも不気味に笑い始めた
「…やめて」
私は何とか言葉を発した
ケタケタケタケタ
「やめて…、お願いだから」
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタ
笑い声は止まない
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