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私は耳を手でをふさぎながら思いっきり叫んだ
「あれはちがうっ、ちがうの…」
「何が違うのおねえちゃん?」
女の子はそう尋ねて来た
「おねえちゃんはたくさんたくさん殺したよ、これに書いてあるもの」
「そうだよおねえちゃん、嘘はよくないよ。おねえちゃんはたくさん罪を犯しちゃったんだよ」
男の子も女の子と一緒になって私を責めてきた
「違う…違う…違う…、私が犯したのは自ら死を選んだことだけ…」
私は幼い子供に完全に手に取られていた
子供達は笑い続け、私はただ違うと言い続けることしかできなかった
どれくらいの時間がたっただろう、急に子供達が話をし始めた
『なんて、言っているんだろう?』
私が何とか話している内容を聞けないかと意識をそっちに向けた時には、もう子供達は話をやめこちらに向き直っていた
「おねえちゃん」
私が何の話をしていたのか尋ねるよりも早く男の子がそう言ってきた
「なに…?」
私は恐る恐る聞き返した
「あのね、おねいちゃん。チャンスあげよっか?」
「…え?」
てっきりまた責められるものだと考え身構えていた私はあっけにとられ、情けない声を上げてしまった
「アハハ、変な声。だからおねえちゃんにチャンスをあげるって言ってるの」
そう女の子は言い笑った
「チャンスって、なんの?」
「それはね」
今度は男の子が話し出した
「お姉ちゃんがしたことを全部なっかった事にしてあげるっていうチャンスだよ」
「え、そんなことできるの?」
「それはおねえちゃん次第だよねー」
「ねー」
「私次第ってどういうこと?」
私がそう言うと女の子は私にあの本を渡してきた
「これで過去を変えちゃうんだよ」
女の子は笑いながらそう言って来たが私にはさっぱり意味が分からない
それをくみとったのか、今度は男の子が話し始めた
「あのね、この本にはね不思議な力があるんだよ」
「不思議な力…?」
「うんそう。お話の中に入れちゃうんだよ」
「え!?」
私は驚愕した
そのの様子が面白かったのか女の子はクスクス笑い出した
「それでどうやったら入れるの?」
私はとりあえず女の子のことは置いておいて、男の子に詳しく尋ねた
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