ハイテンション・ブルー

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夜明けの海岸は、心地よい海風があたりを包み、鮮やかな朝日を迎え始めていた。 「ふっふっふ……。」 「マネージャー、気持ち悪いです、 予告してから笑ってください。 オデコ全開のまんまだし」 「だって、眞ちゃん、 燃えるんだもん、ハートが。」 「食べ過ぎたんですよ、 多分胸焼けです💧。 夜明け前から、もう💧」 黒澤に、かなり早い段階で朝食を食べさせられ、 異様にテンションの高い沢野の横で、眞田は深くため息をついた。 浴衣姿のまま、商店街の中を集団で練り歩いてきた沢野達は、新たなるチャレンジを前にワクワクしており、 「さっ! 何からとっかかろうか?。」 すると、角田が、眼鏡を光らせながら、 「マネージャー、 あと五分でラジオ体操のお時間です。 さっさと整列してください。」 そういいながら、 ラジオを合わせ始めた。 「うわあ、キレイ。」 朝日を浴びてキラキラ輝く波頭を見つめながら、カゲヤマが目を輝かせると、 矢島も嬉しそうにそんな姿を見つめた。 二人して浜辺を手をつないで歩きながら、美しい風景を眺めると、 本当にココロはリゾート気分だが、矢島のアタマの中には、 急遽オネエ大量導入、 という、周りからきけば訳の分からないワードで頭の中がいっぱいだった。
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