プロローグ

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童話の世界に憧れる少女たちが住みたいと一度は夢みてしまう、堂々たるメルヘンチックな城。 その城の中の1部屋から話は始まります。 その部屋は城の大きさの割には小さくて、例えるならば小学校の教室2つ分くらいでした。 両端には一般的なテレビの大きさを優に超えたモニターがあります。 その下には複雑そうなキーボードや四角形という特殊な形のマウス、触れたら危険そうな何個ものボタンが、壁と同化している白い机に付随しています。 後は足がローラーになっている、今は左の机に置いてある闇色の椅子。 そして中央に清潔を見事に表すかのような、四辺が木の柵で囲まれているベッドがあるだけです。 床が空色のタイル張りというのがこれまた余計に機械の冷たいというイメージを纏わせていて、ベッドの存在を浮かしています。 そんなベッドから、ズボンだけ穿いた白い羽が生えている1人の若そうに見える男が、目を手で擦ってゆっくりと起き上がりました。
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