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男は余程寝相が良いためか、2枚重ねのブランケットを折り返しただけで、その光景を見てない者はそのベッドは使用前だと思わせるほどでした。
男が柵を掴んでベッドから危なげなく降り、背筋を伸ばして欠伸をし終わった、その瞬間。
床のタイルより深みのある、藍色で取っ手のないドアから複数合わさった小さなノック音が聞こえてきました。
「今、開けるから。待ってて」
再び出てきた欠伸を噛みしめ、彼は暇な時に口ずさむように楽な姿勢で、そして一言、何か唱えます。
するとドアはセンサーが外れたのだろうか、誰も触っていないというのにゆっくりと開きました。
どうやら彼の今の呪文が鍵のようです。
そこには柔らかそうな長く垂れた耳が目立つ、それぞれ色の違う5匹のハムスターサイズのウサギが二足でチョコンと立っていました。
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