エピソード1.00

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妖精の多くは【マナフィールド】という地域から発生している。その原理すらも正確には不明だが、最近では人工的に妖精を生み出す技術も出来たとか。 ロイの住む街【ファクラム】では成人する町人が地下に広がる遺跡から一匹の妖精を連れてくるという習慣がある。 もちろん、その遺跡は【マナフィールド】であるのだが、魔力が溢れていると同時に魔物等も多く生息している。 そして【妖精連れ】の仕組みとして【地下へ潜るに連れて魔物の強さと生まれる妖精の強さが比例して上がる】というお約束なダンジョンである。 【妖精連れ】には一人で入り、一人で帰って来なくてはならない(正確には帰りは一匹増えているはずなのだが) 遺跡内で新成人が気に入った妖精を見つけ、契約を交わすとその妖精が【エンゲージフェアリー】となり、新成人とパートナーとなる。 仮に、魔物等の襲撃により妖精を連れる前に新成人が力尽きた際には【何故か遺跡の外まで運び出される】という現象が起こる。 しかも、その状態で新成人に妖精が一匹付き添っているのだ。その場合、エンゲージフェアリーは完全にランダムな為、【失敗】という扱いになる。 そして【失敗】した新成人は二度と遺跡に立ち入る事が出来なくなる。【不可視の壁】のような物に阻まれてしまうらしい。 習慣となっている【妖精連れ】であるのだが、このような不思議な現象が相次いで起きているため、ファクラムでは【その妖精が助けた】【遺跡には人間を守る守護妖精がいる】等と噂が飛び交っている。
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