悪夢

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さわさわ、さわさわ。 清み渡った空からの風が、 なめらかに草原を駆け抜けていく。 草と草が優しく擦れる音を、目を閉じて 味わいながら寝転ぶ中学生男子がいた。 「あー最高だ、ここは」 枕代わりの片腕が少し疲れて来たように思え、彼は目を開け体を起こした。 心地よい温度の風がフワリと髪を散らせる。 見渡す限りの草原を眺めながら、ハッと何かを思い出したように呟いた。 「でも、そろそろマズイ気がする」 『そうだァよくわかってるな、ナガサキ!!』 凄まじい衝撃と共に、視界が暗転した。
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