7592人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
何か言おうとした花音の唇を、人差し指で塞いだ。
「どうせしばらく帰ってこないだろうから。
久しぶりに、一緒に寝ようか?」
てっきり『そんなこと言ってる場合じゃありません!』みたいな返事がかえってくるかと思いきや。
予想に反して、花音は俺の身体をきつく抱き締めた。
「花音?」
柄にもなく動揺してしまう。
花音は俺の胸に自分の頭を埋めた。
「……ちょっと昴さんが足りなかったから、充電してます」
「珍しく素直なんだ?」
花音は恥ずかしそうに目尻を下げた。
「私だって、やっぱり焼きもちもやくし、たまには素直になるんですよ」
俺は花音の身体をベッドに押し倒す。
「じゃあもういらないって言うくらい、俺でいっぱいにしてあげるよ」
「……はい」
花音は小さく頷いて、俺の身体を抱き寄せた。
.
最初のコメントを投稿しよう!