たった一人の大切な人

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何か言おうとした花音の唇を、人差し指で塞いだ。 「どうせしばらく帰ってこないだろうから。 久しぶりに、一緒に寝ようか?」 てっきり『そんなこと言ってる場合じゃありません!』みたいな返事がかえってくるかと思いきや。 予想に反して、花音は俺の身体をきつく抱き締めた。 「花音?」 柄にもなく動揺してしまう。 花音は俺の胸に自分の頭を埋めた。 「……ちょっと昴さんが足りなかったから、充電してます」 「珍しく素直なんだ?」 花音は恥ずかしそうに目尻を下げた。 「私だって、やっぱり焼きもちもやくし、たまには素直になるんですよ」 俺は花音の身体をベッドに押し倒す。 「じゃあもういらないって言うくらい、俺でいっぱいにしてあげるよ」 「……はい」 花音は小さく頷いて、俺の身体を抱き寄せた。 .
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