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「余計なお世話なの分かって言いますけど、もうちょっと周囲のことを考えた方がいいんではないでしょうか」
「余計なお世話ですわ」
ざっくり。
強い風が窓を揺らして、バタバタと騒がしい音が鳴った。
俺は景色をぼんやり眺めながら彼女に声をかける。
「俺のこと嫌いみたいなのに、よく一緒に観覧車なんて乗る気になりましたね」
向かいの席から彼女の戸惑うような声が聞こえる。
「別に、嫌いではありませんけど……」
「けど?」
「……ちょっと怖いと思っただけですわ」
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