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俺は驚いて視線をお嬢様の方に向けた。
彼女の茶色い瞳と視線がぶつかる。
「怖い? 昴と比べたらよっぽど人畜無害な人間だと思うんですけど」
彼女は俯いて、指先で自分のスカートをいじった。
「そういう、怖いではなくて……
よく分からなくて、恐ろしいというか……。
気味が悪い、の方が近いかもしれません」
「気味が悪いねぇ……
自慢じゃありませんが、女性にそこまでストレートに拒絶されたのは初めてです」
彼女は焦ったようにこちらに身を乗り出してきた。
「だ、だからそういう意味でもなくて!」
「なくて?」
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