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「え? あ、あの、花京院……? え、えっと?」
店員さんは目を白黒させて混乱している。
なるほど。
他にも観覧車はあるのにわざわざここまで来たのは、自分の家の所有地だったからなのか。
花京院グループすげぇな。
と感心している間にも、観覧車は再び上昇していく。
俺は横から助け舟を出す。
「一時間延長って、カラオケじゃないんですから。
つうかコストパフォーマンス悪すぎじゃないですか?
話なら、別に車の中でもどこかに行ってもいいですから、何もここじゃなくても」
お嬢様はかえって意地になってしまったのか、再び大声で叫んだ。
「ここで話します! いいから扉を閉めなさいっ!」
「はっ、はいぃっ!」
押しに弱いのであろう店員さんは、言われたままに扉を外からロックした。
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