観覧車から見える景色

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「意外とまともなんですね?」 俺がそう言うと、彼女は眉を吊り上げて憤慨した。 「失礼ですわね!  わたくしだって色々考えてますのよ!」 「いや……そりゃそうなんでしょうけど」 このお嬢様の中に、円滑に人間関係を進める方法とか、そういう考えがあったのにびっくりした。 だったらなぜ彼女は実行しないんだろうか。 頭では分かっていても、自分では出来ない人なんだろうか。 彼女はどこからか白い扇子を取り出して、パタパタと自分の顔を扇いだ。 香水か何かだろうか。一瞬ふわりと薔薇の花の香りがした。 「あなたの話を聞いたんだから、今度はわたくしが話す番ですわ」 「どうぞご自由に」 .
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