観覧車から見える景色

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「けれど子供だったわたくしは、闇雲に歩くうちにすっかり道に迷ってしまって。 どっちに行っていいのか分からなくなって、途中で座り込んで泣いていたんです」 ふと、頭に浮かぶ光景があった。 昴の家の壁にもたれかかり、うずくまって一人で泣いている金髪の女の子。 「そうしたら、男の子がわたくしを見つけてくれたんです。 ……昴さんが、わたくしを見つけて。言ってくれたんです」 俺はすべてが繋がった気がして、ごそごそとポケットの中を漁った。 「? どうかしましたか?」 .
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