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俺は眉をひそめて彼女をじっと見た。
「……つまり、あなたが昴の正式な婚約者だとか、そういうのは」
彼女は悪びれる様子もなくきっぱり言い切った。
「全部嘘ですわ」
「嘘……」
なんてアグレッシブな人なんだろう。
色々思うところはあるが、昴にとっては朗報だろう。
「あ、でも一応昴さんのお父様にご挨拶に行ったのは本当ですのよ?」
「そうしたら何て言ってました?」
「昴さんのお父様は満面の笑みで、
『おぉ、麗華ちゃん美人になったね。昴の家に乗り込みたい?
何て楽しそうなことを考えているんだ。
いくらでも好きにしなさい』
って言って、荷物の手配をしてくれましたわ」
あのおっさんのやりそうなことだーーーーーーーっ!
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