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すぅ、と息を吸い込み、ここに来るまでにずっと考えていた言葉を一気に吐き出す。
「私と昴さんでは釣り合わないって分かっています!
私には麗華さんのような立派な家柄があるわけではありませんし、病院のことも全く分かりません。
いきなり押しかけてきて、こんなことを言うのもおこがましいって分かってるんです!
でも、私は、たとえ反対されたとしても、あ、あの……」
途中で彼はゆっくりと立ち上がり、ぽつりと呟いた。
「いい天気だ」
「は、はぁ……」
彼は何か悪巧みを思いついたように、にやりと笑う。
「君の気持ちは分かった。
では、今から君が神崎家の嫁にふさわしいかどうか、試験を受けてもらおう」
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