神崎家と花音

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私はパチパチと瞬きし、首を小さく傾げる。 「試験……ですか?」 彼は私の腕を大きな手で掴み、高らかに笑った。 「まぁ、いいから難しいことは考えずついてきなさい。 それと、私のことは大和(ヤマト)さんと呼ぶように」 「は、はいっ!」 そういえば、この時まで昴さんのお父さんの名前を知らなかった。 大和さんと言うらしい。 大和さんに連れられて家の外に出ると、運転手さんが車を玄関先まで走らせ待ち構えていた。 大和さんはキラリと白い歯を見せて笑った。 「頼むよ、野口さん」 「はい」 .
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