神崎家と花音

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メイドさんが出ていったのを確認してから、私はベッドに思いっきりダイブした。 「うひゃーっ! ベッドふかふかーっ! 置かれている小物も家具も、一つ一つがいちいち可愛いなぁ! いいなぁいいなぁ、こんな部屋に住みたいなっ」 私は枕を抱きしめながら、ゴロゴロとベッドの上を転がった。 確かこの家には大和さんと、大和さんの奥さん――つまり昴さんのお母さんと、お手伝いさんが数人しか住んでいないって聞いたけれど。 私は高い天井を見つめながらぼんやり考える。 「このお部屋、普段は使ってないのかな?  もったいないなぁー……」 いい匂いの布団に包まれていると、だんだん目蓋が重くなってくる。 てゆーか私、ここに何をしに来たんだっけ? だんだん意識が、遠く……。 ねむ、く……。 .
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