神崎家と花音

18/43
前へ
/182ページ
次へ
私のため、とはどういうことだろう。 クローゼットは新しい服が二十着くらいかかっている。 「えぇと……じゃあ、この水色のショートドレスで」 服を選んでから自分の肌が汗ばんでいるのに気づいた。 「あ、先にシャワーを浴びてもいいですか?」 せっかくの綺麗な洋服を汚すのは嫌だし。 メイドさんは楽しげに私の後ろをついてくる。 「よろしかったらお手伝いしましょうか?」 私はぶんぶん首を振って断る。 「だっ、大丈夫ですっ!  一人で入れますっ!」 焦ってそう言って扉を閉めると、シャワー室の外でメイドさんがくすくすと笑い声をたてるのが聞こえた。 からかわれてる気がするっ! .
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7596人が本棚に入れています
本棚に追加