神崎家と花音

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髮を乾かし終わって部屋に戻り、さっき選んだ水色のショートドレスに袖を通す。 仕立て合わせたようにぴったりだ。 不思議な気分になる。 ドレッサーの前にある椅子に座るとメイドさんがメイクをしてくれた。 白いストールを羽織って立ち上がる。 「よくお似合いですよ。 ご主人様は一階で待ってらっしゃいます」 「あ、はい。ありがとうございます」 螺旋階段を降りると、さっきのラフな格好から黒いスーツに着替えた大和さんが待っていた。 大和さんは私を見て嬉しそうに目を細めた。 「かわいいね。 まるで童話に出てくる妖精みたいだ」 「えっ!? あ、ありがとうございます」 こういう恥ずかしい褒め言葉をさらっと言えちゃうのは、なんて言うか昴さんのお父さんって感じがする。 .
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