神崎家と花音

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もしかして、もしかしなくてもとっくに試験は終了していて、神崎家の嫁にふさわしくないと判断された後だったりして。 大和さんは追い返すのもかわいそうだと同情して、こうやって食事に連れてきてくれたのかもしれない……。 大和さんは眉間にシワを寄せ、厳しい表情で私を見据える。 「試験のことが知りたいかい?」 「はいっ! 私、足りない所がたくさんあるって分かっていますけど。 でも、昴さんとずっと一緒にいたいって、思っているので!」 大和さんは顔の前で腕を組む。 「試験というのは」 「は、はい……」 ドキドキしながら大和さんを見つめかえす。 「試験と、いうのはだね」 「は、はい……」 .
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