神崎家と花音

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「……なるほど?」 今、話を聞いている限りでは、けっこう理解あるお父さんだと思うんだけれど。 昴さんの話と、ちょっと食い違っているような? 「あの……では、今日私と出かけたのはどうしてなんでしょう?」 大和さんは得意気に目を細めた。 「ただ単に、私が君と一緒に出かけたかっただけだ」 「そうなんですかっ!?」 「昴が選んだお嬢さんに興味があったからな。 私は気になったらとりあえず行動してみる性分でね」 つまり今日の出来事は、ただの大和さんの暇つぶしだったわけだ。 何だか一気に気が抜けた。 「私は息子が選んだ結婚相手を、自分の都合で指図するつもりなんてないよ。 そんなので結婚するのをやめるくらいなら、最初からしない方がいいと思うし。 どちらにしろ長続きしないだろう」 「ご、ごもっともです」 .
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