神崎家と花音

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「ま、待ってください!」 引き止めようとする私を、昴さんは怪訝な表情で見つめた。 このまま帰ったら、大和さんとぎくしゃくしたままになるんじゃないかな。 きっと本当は大和さん、昴さんに会えないのがさみしいはずなのに。 考えた結果。 「昴さん、お腹減りませんかっ!?」 こんな言葉しか思いつかなかった。 「いや……あんまり……」 「そ、そうですよね……」 私って役たたずだなぁ。 「お前、デザートまで食べてまだ足りないの?」 「い、いえ、そういうわけじゃないんですけど……」 あ、なんか私がただの食いしん坊みたいな流れになってる。 大和さんは私達のやりとりを見て、肩を震わせて笑っていた。 .
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