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昴は本当に自分勝手だ。
俺は疲れた身体に鞭を打ち、苛々しながら車を走らせた。
混雑している表通りを抜け、住宅街の方に入ると道路はだいぶ空いていた。
等間隔で並ぶ外灯の下をすり抜け、しばらくするとうんざりするほど見慣れたマンションが姿を現す。
エンジンの音が閑静な住宅街に思ったよりもうるさく響き、気分が滅入る。
もう一度思う。
昴は本当に自分勝手だ。
しかし、文句を言いつつ結局はあいつの言うことを聞いてしまう自分にも、心底がっかりだ。
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