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滅び行く世界・首都圏の街
スイレンの前に立つ2人の男、片方は漆黒のコートを身に纏い、もう片方は鍵を取り出した後彼女に視線を移す。
「とにかく、この札に力を映すんだな?」
「その方法、あんたは知ってるのか?」
無表情なスイレンだったが、2人の質問に少し目を細める。
「札の覚醒は戦士達それぞれです……
貴方達は私を疑わないのですか……?一方的に貴方達をこの世界に喚び、戦わせようとしてる私を?」
彼女の問いに2人の男はしばらく考えるが、やがてコートの男が口を開く
「さあな……ただ一つだけ言えるのは」
「俺達に頼んだ時の真っ直ぐな目、充分信じる価値はあるかな?」
「神村 月斗、天城 コウ……感謝します」
2人の男の返答に彼女は深く目を瞑り礼を言った。何故自分の名を知ってるのか
疑問に思ったが、それを聞くのは全員が揃った時と2人は心に誓っていた。
「貴方達2人にはもう一つ頼みがあります
戦士が集結するその時まで私はここから動けません……
その間、私を護っていただけませんか?」
彼女は戦士達にとって目的地、それが動くのは確かに効率的ではない、が
それは彼女が移動出来ず次々て現れる者達と集結の瞬間まで戦い続けるという、まさに一番危険な話だった。
例えばそう、今三人の眼前に広がる100体近くの屑ヤミーをはじめとした、ローチ、レイドラグーンと言った様々な世界の怪人達の群れがまさにいい例だろう。
「この数、やれるか?」
「さあ?どっちみちやるしかないだろ」
コートの男、月斗と鍵を持つ男、天城は
圧倒的な軍勢に向かってたった2人で走り出した。
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